練馬ママ漫画ルーム(部)「よんこま」

   ~2015年 「未来を強くする子育てプロジェクト」未来賞受賞~
創業 2011.11.02

「よんこま」が目指すもの

※注 唯一ウケ狙いのない真面目な内容となっております。そして長いです。


現在の練馬ママ漫画ルーム「よんこま」の店舗は
「地域の空家を、地域に活用する新しい手法」を視覚化するために作られました。

練馬区には多くの地主さんが存在し、毎年4件ほどですが
「所有物件の福祉活用」の相談が寄せられるそうです。

しかし同時に、「地域のために」とカフェやサロンを開いた結果
採算が取れずに悲しい結果になってしまうことがほとんど、とも伺いました。

そこで、「よんこま」というビジネスプランが黒字経営となることを実証し
そういった善意の方々に提案していけないだろうかと考えてオープンしたのが
練馬ママ漫画ルーム「よんこま」です。

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「よんこま」は単純に説明すると、漫画を置いたママと赤ちゃんの居場所です。

非営利団体ではなく、ビジネスとして展開することを目指しています。

今の言葉を借りると「CB(コミュニティビジネス)」というもので、
「ビジネスの手法により、地域課題を解決する」ことがその定義です。

なぜ今そのようなビジネスが注目を集めているかと言えば、
多くの福祉団体が、その志の高さとは裏腹に、自治体からの金銭援助の
打ち切りと同時に立ち行かなくなってしまう実状があるからだそうです。

しかし、既に「無料」が当たり前になっているサービスを
ビジネスにしろと言われても難しいものがあります。

「育児ママの居場所」もしかり。
多くのNPOや公的機関により「無料」で場が提供されてきたため
今さら「有料の場所」に行こうとは考えないのがママの感覚です。

ではどうすれば良いか?を考えた時に、
漫画が最高のツールであることに気付きました。

日本には長く漫画の歴史があり、漫画喫茶は全国に展開され、
「漫画にお金を払うことは当然」という感覚が日本人にはあります。
この既存感覚こそ、「お金を取るために必須」と考えました。

自分自身、若い頃には夜を徹して漫画喫茶に入り浸ることも普通でした。
実際に統計では、漫画喫茶の利用者の30%が女性とあります。
この「女性」が妊娠や出産を期に利用できなくなる。
隠れた需要は大きい。そう確信しました。

加えて、練馬区は「アニメの街」として振興に取り組んでいます。
漫画を活用したママへの娯楽提供は、練馬区にとっても
イメージの上がる事業になると考えました。

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では、もし自分が経営するのであれば、どうやってリスクを減らすか?
まず飲食を提供しない。(廃棄リスクの回避)
そして保育を提供しない。(責任リスクの回避)
個人情報も取らない。(情報漏洩リスクの回避)
同伴はハイハイ前の赤ちゃんまでとする。(事故リスクの回避)

そうやって色々とプランを練るうちに、
「この環境であれば障害を持つ人でも働けるのではないか」
と思い当たりました。

漫画は持ち運びも軽く、取り扱いも簡単で、
ヤケドなどの怪我の心配も、ガラスのような破損の心配もありません。
「週に1時間でもいいから一般環境で働かせたい」という親側の希望も
多いと、聞き取りの中でわかってきました。

さらに、
「平日10時半~3時半の営業であれば、シニアにも運営が楽なのでは?」
と発展していきました。実際、区の統計資料では、退職シニアが求めるのは
「身体に負担の少ない、生きがいレベルの就労」でした。

練馬区、空家、漫画、ママ、シニア、障害者。
ここで全てが一つの輪に繋がりました。

以下がその、大まかなビジネスモデルです。
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①自己物件を地域に活かしたいシニアが店舗を経営する。
→家賃がかからず、飲食提供がないため仕入れもかからない。
さらに、「顧客が回転」するため、本の入れ替えが不要。
大きな投資が不要なため、開業リスクが低い。
顧客が安全な層のため、ご近所も安心。

②漫画を読みたいママが利用料を支払う。
→漫画にお金をお払うことについては、もったいないと感じない。

③利用料の一部で、地元就労を求める障害者をパート雇用する
(一週間に2日、一日2時間の「一般環境での就労」を提供)
→妊娠期は「もしわが子に障害があったら」ということを
真剣に考える時期でもあり、産後の母親は障害者への支援の
気持ちが強い。障害者の就労を快く受け入れる土台があると言える。
※「よんこま」は都の最低時給を保障しています(時給840円)

④1日五時間という短い店番で、お小遣い程度の収入と
地域貢献という生き甲斐がシニアにもたらされる。

→現在はメイン駅周辺に集中する育児広場が、民家に点在するようになる。
→「よんこま」の店舗拡大が、障害者雇用の拡大に直結する。

⑤「漫画を活かす街・練馬」という新しいイメージが生まれる。
→区の財政に頼らない事業が、区のイメージUPに貢献する。
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シニアの生き甲斐、
障害者の就労希望、
ママの息抜き(多子推奨)、
空家の活用
自治体のPR

これらは全国どこにでも共通する課題であると思われます。
それを公的資金の投入なく、一手に解決する手段になるとしたら?
しかもそれが、大規模な施設や投資を要せず、
個人の「想い」で踏み出せる事業であったとしたら?

私は、この「どうなるかわからない企画」を
どうしてもやってみなくてはいけないと思いました。
「ただの失敗に終わるかもしれない。でも、
うまくいけば、日本に必ず価値を残す」そう確信したからです。

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しかしながら、前例のないビジネスであるため、まずは企画を「視覚化」する必要があり
本来のモデルでは発生しない前提の「家賃」を払って「試験的1号店」を開店しました。

そのため、「空家活用」であれば10万円以上の黒字のところ
現状では、毎月1・2万円の自己人件費を出すのみです。

このように実体はボランティアとも言える当事業ですが、
お客様から料金を取る限りは「営利」であるという見方から
内閣府地域雇用創造事業のコンペ受賞事業となってなお、
一切の区管轄に、チラシの一枚を置くことさえ許されません。
営利と福祉の中間に位置する全てのCBにとって大変厳しい現状です。
区には今後、こういった事業に対して、柔軟な対応思考を持つと同時に
金銭以外の支援の形を積極的に提案していっていただきたいと願います。

ちなみに、こんな状況の中「いっそNPOにしては」という意見もありますが、
それでは本末転倒なのです。

「よんこま」が目指すもの。
それはあくまで、地域の需要に基づく経済活動が、地域の手によって、
「経営自立した」社会活動の循環を創り上げていくことなのです。

そして、先の①~⑤の先にある私の野望。

⑥やがて日本において「空家活用」の一般モデルとなり
世界に誇る「日本発の日本ならではの日本らしい福祉事業の例」となる。


いつしかこの事業が練馬発であったことが練馬の誇りになるように。
そして、今まで力添えを下さった方々の自慢になるように・・・

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現在の店舗はあくまでビジネスプランを皆さんに見ていただくためのモデルルーム。
事業が実際に空家に展開されていくようになった暁には閉めるものだと思っています。
そして、私自身、別の仕事に就いてゆくものだと考えています。

それまで、この店舗運営を是非とも皆さまにご支援いただきたく、
ここに心よりお願い申し上げます。

この事業がきっと未来に開く扉があると信じてここまで進んできました。
この事業に同じ想いを寄せ、この事業に未来を見てくださる方がいらっしゃいましたら
どうか、私という小さな個人に手を差し伸べて下さい。


以上、長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。


練馬ママ漫画ルーム「よんこま」
代表 うえきあやこ
2013/01/02
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